私たちが目指したのは、うらびれた港町でひっそりと営まれる |
場末な雰囲気の食堂。「この店大丈夫かしら?』くらいの |
気持ちで入ってみると、思いのほか美味しいカレーでびっくり。 |
という、半ば良い意味でお客様を裏切るような店構えに |
ほんとうはしたかったのです。 |
幸か不幸か、一歩足を踏み入れた女性客の大半は「可愛い」もしくは |
「カフェみたい」とおっしゃいます。食べ物以外の事には全く無関心な |
私たちが最小限の予算で作った店は、かつてコインランドリーだった場所。 |
生成のペンキで塗られた店内が油ですすける頃にはきっと当初のイメージ | 通り、食堂らしい食堂になっていることでしょう。店とはそうして重ね |
られた年月が作り上げていくものだと思っています。 |
2007年6月吉日 |